はじめに

「株主優待をタダ同然でもらえる方法がある」と聞いたことはありますか?それが 株主優待クロス取引(別名:つなぎ売り)です。

株価の変動リスクをほぼゼロに抑えながら、優待だけをもらえるこの手法は、投資初心者から上級者まで幅広く活用されています。本記事では、仕組みから実際の手順まで、SMBC日興証券を例にわかりやすく解説します。


株主優待クロス取引とは?

株主優待を受け取るには、権利確定日(多くは月末)に株を保有している必要があります。ただし、普通に株を買うと株価が下落するリスクがあります。

そこで登場するのがクロス取引。

現物買い + 信用売り(空売り)を同時に行うことで、株価変動リスクを相殺する手法です。

どちらの取引も同じ銘柄・同じ株数で行うため、株価が上がっても下がっても損益はほぼゼロ。でも、現物株を保有しているため株主優待はしっかりもらえる、という仕組みです。


クロス取引の仕組みをざっくり図解

【クロス取引のイメージ】 現物買い(100株) ──→ 権利確定日に株主優待GET! ↕ 損益が相殺 信用売り(100株) ──→ 株価変動リスクをヘッジ

権利確定日を過ぎたら、現物株を売却し、信用売りを買い戻して決済します(これを現渡しといいます)。


かかるコストは?

「タダ同然」と言いましたが、完全に無料ではありません。主なコストは以下の通りです。

① 貸株料(逆日歩リスク含む)
信用売りをしている間、株を借りるためのコストがかかります。一般信用売りと制度信用売りで異なります。

② 売買手数料
現物買い・信用売り・それぞれの決済時に手数料が発生します。

③ 逆日歩(制度信用の場合)
制度信用を使った場合、需給が逼迫すると予想外のコストが発生することがあります。一般信用売りを使えば逆日歩は発生しません。


SMBC日興証券でのクロス取引手順

SMBC日興証券は、一般信用売り(無期限・短期) を提供しており、クロス取引に適した環境が整っています。

ステップ1:対象銘柄を探す

SMBC日興証券のサイトにログインし、「信用取引 → 貸借銘柄一覧」から一般信用売りができる銘柄を確認します。人気の優待銘柄は権利日が近づくと在庫が枯渇するため、早めのチェックが重要です。

ステップ2:一般信用売り(空売り)を発注する

信用取引口座が必要です。まだ開設していない場合は事前に申込みを済ませておきましょう。

発注時のポイント:

  • 取引区分:一般信用(逆日歩を避けるため)
  • 売建株数:現物買いと同じ株数
  • 注文タイプ:成行 or 指値(同値同量になるよう注意)

ステップ3:現物買いを発注する

信用売りとほぼ同時に現物買いを発注します。価格差が生じると損益がブレるため、なるべく同じタイミングで注文しましょう。

💡 SMBC日興証券のポイント:「ダイレクトコース」ではスマホアプリからスムーズに両建て注文が可能です。

ステップ4:権利確定日まで保有する

あとは権利確定日まで待つだけです。この間、貸株料(日割り) がかかります。

例:貸株料3%/年、保有7日間、株価1,000円×100株の場合
→ 1,000円 × 100株 × 3% ÷ 365日 × 7日 ≈ 約575円

ステップ5:権利確定後に現渡しで決済

権利確定日の翌営業日以降、現渡し(現物株で信用売りを決済する方法)を行います。現渡しは手数料が無料になる証券会社が多く、SMBC日興証券でも現渡し手数料は無料です。


一般信用 vs 制度信用、どちらを使う?

一般信用 制度信用 逆日歩 なし あり(リスク大) 貸株料 やや高め 低め 在庫 有限(枯渇する) 比較的豊富 おすすめ度 ★★★★★ ★★★

クロス取引初心者には、一般信用を強くおすすめします。逆日歩は青天井で膨らむことがあり、優待価値を大幅に超えるコストになるケースもあります。


SMBC日興証券のクロス取引における注意点

① 一般信用の在庫は早い者勝ち
人気銘柄(イオン、オリックス、すかいらーくなど)は権利日の数週間前に在庫が売り切れることも。早めの行動が肝心です。

② 信用取引口座の事前開設が必要
信用口座の審査には数日かかる場合があります。クロス取引を始めたいなら今すぐ口座開設の申込みを。

③ 権利確定日と権利付き最終日を混同しない
株主優待の権利を得るには、権利付き最終日(権利確定日の2営業日前)までに購入が必要です。ここを間違えると優待がもらえません。

④ コストが優待価値を上回る場合がある
優待の価値(例:500円相当のクオカード)に対して、手数料・貸株料の合計が高くつく場合は意味がありません。必ず事前に収支計算をしましょう。


収支シミュレーション例

対象銘柄:某ファミレスチェーン(優待:2,000円相当の食事券)

  • 株価:2,500円 × 100株 = 250,000円
  • 保有期間:10日間
  • 一般信用貸株料:年率3%
  • 現物・信用の売買手数料:各275円(税込)

コスト項目 金額 現物買い手数料 275円 信用売り手数料 275円 現渡し手数料 0円 貸株料(10日分) 約205円 合計コスト約755円 優待価値 2,000円 実質利益約1,245円

このように、コストを差し引いても十分なメリットが得られる場合が多いです。


まとめ

株主優待クロス取引は、正しく理解・実践すれば株価リスクなしで優待をお得にもらえる合法的な投資手法です。

SMBC日興証券は一般信用売りに対応しており、クロス取引環境が整っています。ただし、在庫の確保・コスト計算・権利日の把握など、事前準備が成功の鍵を握ります。

ぜひ今年の優待シーズンから試してみてください!


⚠️ 免責事項
本記事は情報提供を目的としており、投資を勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。手数料・貸株料等は変更される場合があります。最新情報はSMBC日興証券の公式サイトをご確認ください。